第一等の酒蔵としての老舗「日の丸醸造」。 その歴史を遡るに、元禄二年(1689年)現在の山形県最上出身の沓沢甚兵衛が創業しました。
蔵名の「日の丸」は秋田藩主、佐竹公の定紋が「五本骨扇に日の丸」だったことに由来です。
明治40年商標登録済の日本で、唯一無二の酒銘でもありました。すでに明治42年、東北公論社募集の銘酒投票で第一位を獲得し、その時から絢爛たる賞を受賞しました。
大正時代には年間醸造数量五千石以上に達し、日英大博覧会にて一等金牌を受賞(大正2年)した。 何と一世紀前に世界に認められた蔵元だったことは驚嘆に値します。
大正14年、株式会社に改組したが、昭和18年企業整備令により転廃の余儀なきに至り廃業しました。
しかし昭和23年1月、佐藤光男氏が基本製造石数三百石の認可を得て、三百年の伝統を5年越しで復活し、今日に至っています。
酒造り
横手盆地は古来、酒造好適の良質米を産し、一年の大半が雪のカーテンに包まれる栗駒山系の伏流水が、蔵内の井戸に注ぎ、仕込みの力水となりました。
手造りの丁寧な造りと搾りをし、タンク貯蔵を避け一本一本ビン貯蔵、酸化して酒が傷むのを防いで入念に熟成させ、純米吟醸を中心とするふくよかで気品ある味わいを醸し出しました。
メインブランド「まんさくの花」は、 昭和56年NHKの朝の連続ドラマ「まんさくの花」が横手地方を舞台に放映されたのを機会に発売されたお酒です。
使用している長い時を経て湧き出た雪解け水は、非常にふんわりとした軟水です。酒米は地元の農家と契約し、良質の酒米(特等米)を使用し、造りでは自家製米、秋田流寒仕込みでの長期発酵、槽絞りです。長期低温瓶貯蔵。効率よりも酒質を追求し、現在でも伝統の技法の良い部分を守り抜いて仕込んでおります。
『日の丸』の栄光は、これからも続いていきます。
※酒蔵見学はできませんので、ご了承ください。
製造場に入ることはできませんが、内蔵見学の際に製造場を入り口から覗くことが可能です。また、通路では酒米や酒造りに関する展示物があるほか、直売部では、自慢のお酒の試飲がおたのしみいただけます。
内蔵について
古くから交通や経済の要所だった横手市増田。秋田藩と仙台藩を結ぶ脇街道の中継点にしたため、物資の集散地として栄えました。中七日町通りには、今も往時の面影が残っています。増田のまちなみは、角館に次いで国の重要伝統的建造物保存地区に選定されました。
特に内蔵は、江戸時代後期から昭和初期にかけて、増田の商人が成功の証として立てられた言われています。主屋の後方に建ち、主屋と内倉を接合する「鞘建物」によって覆われています。家の中に蔵がある理由は、冬の豪雪から蔵を守るためです。現在、地区内では45棟の内蔵が確認されており、その内蔵も含めた伝統建造物の一部を一般に公開しています。
ここ「日の丸醸造」にも、内蔵があり見学することができます。(要予約)