概要

所在地

湯沢市岩崎字岩崎124

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アクセス方法 JR下湯沢駅から徒歩約16分、十文字駅から徒歩約24分・タクシー10分
見学可能時間 事前予約制、一時間程度。最大40名まで受け入れ可能。
連絡先 TEL:0183-73-2902
FAX:0183-73-1829
E-mail:info@yamamo1867.com
予約の要否

歴史

ヤマモ味噌醤油醸造元は、慶応3(1867)年から続く味噌醤油醸造元です。弊社が位置する岩崎地域では紀元前からこの地を守る鹿島様が存在し、鎌倉時代には鹿島様のある霊符の森を切り拓き岩崎城が築かれ、皆瀬川の物流を生かし城下町・宿場町として繁栄しました。また、岩崎は十四代城主の娘・能恵姫が稲庭城に嫁ぐ際、水難に遇い、後に龍神の后となり皆瀬川を守るという秋田三大伝説の水にまつわる悲話・能恵姫伝説が残る自然豊かな大地です。弊社は幕末の江戸末期、創業者・高橋茂助がその伝説ある皆瀬川の伏流水の恵みから醸造業を興し、この地で七代に渡り醸造を続け、150余年続く蔵元です。 世界の食文化と和の調味料が融合し、進化していくことを理念“Life is Voyage”としています。近年は100年を越す庭園を整備し、また創業からある家屋の改築をすることで、蔵人そのものと蔵元の行う営みに価値を見い出し、ファクトリーツアーを開始しました。2011年にヤマモブランドの世界展開を開始し、2013年醸造業の魅力を伝える取組がGOOD DESIGEN賞受賞。2016年度、経済産業省による「はばたく中小企業300社」、2017年度「地域未来牽引企業」に選定されました。イギリスのカルチャーマガジン『MONOCLE』に掲載されるなど国内外で評価を受けています。

製造方法や取扱商品の特徴

《製造方法》
仕込水は栗駒山系の伏流水を使用し、麹をつくる「仕込蔵」、発酵熟成の「諸味蔵」の専用土蔵を使用し、四季の移り変わりを利用した天然醸造を行います。

《取扱商品》
YUKIDOKE ‐極上のこし味噌-
雪解けと共に「地元で採れたアキタコマチ」だけで仕込み、低温の熟成蔵でじっくり寝かせました。贅沢に糀歩合を30とし、塩分を8%まで下げています。糀の比率を上げ、低温熟成をさせると、日本酒のような吟醸香とクリーミーな味わいが醸成されます。

「YUKIDOKE」は、これをなめらかになるまで漉しています。ディップのようにそのままお使いいただくか、糀の甘味と低い塩分を生かして和え物にするのに適しています。まずはそのまま一口食べてみてください。口の中で雪が解けてゆくような自然な甘さが味わえます。最も甘味と吟醸香が華やかになる、熟成一年目にお出ししています。一年一度の喜びを、どうぞご賞味下さい。

AMASHIO ‐おいしい水から生まれた塩分25%カットのおしょうゆ‐
食塩分をカットしながらも、しょうゆの中に甘味や旨味をみずみずしく感じられるような設計にしております。煮物の味付けに、つけ醤油・かけ醤油に地元の皆様から長く愛用されるヤマモの代表的な商品です。

訪問時の見どころ

初代・高橋茂助の創業から150余年の間、醸造専用の「仕込蔵」や「諸味蔵」等の土蔵を活かし、数世代にわたり増改築を繰り返しながら現在に至る工場体験ができる「YAMAMO FACTORY TOUR」。 圧搾、火入れ、調合、ろ過、充填の各設備と工程がそれぞれ小分けの空間で行われるのではなく、広大な一つの大空間内で行われていることが特徴です。

備え付けの設備ではなく、時代に合わせて同空間内でその都度設備の配置を変えながら現在のものになったことがわかります。自動制御などの完全な機械化ではなく、人間の作業を機械がサポートするような、人手が入る余地を十分に残した工場であるということができます。仕込蔵にある「室(むろ)」は木製でつくられた半自動の製麹機(せいきくき)であり、室温45度、湿度60%という過酷な環境下に人がまるまる入り、三日三晩世話をして糀づくりを行います。一番の目玉は発酵熟成の「諸味蔵」です。敷地の最も北に位置し、低温の発酵と熟成を促せる土蔵です。24もの杉樽が並ぶ姿は圧巻で、入口よりも大きな樽は、かつてヤマモが専用で抱えていた樽職人がこの蔵の内部で組み立てていたことを物語っています。 経年経過した工場では、同空間内で蔵人がリアルタイムで仕事を行い、長らく棲み付いた菌の働きが感じられる、時間軸が交錯する稀な空間体験となるでしょう。 ヤマモの庭園は四代目高橋茂助・彦四郎が作庭をし100年以上、現在まで護り続けてきました。内蔵で保管された写真には、彦四郎が妻の“アキ”と寄り添う姿も収められております。味噌醤油の産業とは別に、岩崎地域や高橋家のFAMILY HISTORYを共に刻んできた様子が伺える「YAMAMO GARDEN TOUR」となります。 岩崎は皆瀬川の豊かさに関連する秋田三大伝説の一つ「能恵姫伝説」の悲話が残る地域です。初代はそこに着目し、この地で優秀な仕込水を得ました。ヤマモの庭園は仕込水である皆瀬川の伏流水・地下水の恵みである水神のお堂を景観の主とし、水平の庭石と曲線の植栽がリズムをつくる回廊型庭園です。 五代目茂助・毅一郎のとき、中央の池は潤いを失くしました。また近年の大雪で、幾本かの木が倒れてしまいました。歴代当主が豪雪と闘いながらも存続させたこの庭を、私たちはそれに堪えうる機能を有したものに再び作庭しました。時代背景を映した歴史的なルートはそのままに、現代に広く皆様に開放するルートを現代に設計し、混ぜ合わせたものがこの度の庭園となります。改築後の庭園入口に新たな池を設け、小川によって2つの池を結び、水の豊かさを再定義しました。 醸造の背景にある雪国の四季。皆瀬川と春の雪解けがもたらす豊かな水資源。借景にはじまる景色の層が織り成す日本庭園。これらの体験を通じ、これまでの当主の想い、侘び寂びを感じていただければと思います。 2015年、七代目がアメリカ西海岸のシアトルに渡り、次世代の食と農のリーダーを育成するプログラムに参加しました。その経験と学びから始めることとなった自社畑づくり。土に直接触れることにより、私たちは本来何者であったのか、何のために生きていくのか、その意義を呼び起こさせることができるものとして「YAMAMO FIELD TOUR」をご用意いたしました。 シアトル渡航以降、ヤマモの醸造産業を将来に渡り持続可能とするため、休耕地を再び原料畑として活動的にする取り組み「YAMAMO SUSTAINABLE FIELD」を続けて参りました。実に30年振りの畑の再生は感慨深いものがあり、四代目・彦四郎と妻・アキの時代まで耕していたこの畑を「4TH GENERATION FIELD(四代目の畑)」と名付け、毎年大豆を収穫し原料としております。 私たちは社員が一丸となり、種を撒き、芽吹かせ、収穫を迎えることが非常に大きな意味のあることと考えます。会社として経済活動を続けながらも、次世代に命を繋いでいく社会の一員として、人が本来の生きる目的を“MINDFULLNESS=LOVE(穏やかな心=愛情)”であると改めて位置づけ、命の誕生から収穫までを丁寧に行っております。私たちは人間の愛情に重きを置く価値観のもと、新たな取り組みを進めていきたいと考えております。小さな畑ではありますが、土から遠く離れた現代人が、生きるために大切なものを考えるきっかけになることができれば幸いです。 *16歳未満のお客様は保護者の同伴が必要です。巡回中のお客様のご撮影は可能ですが、一部撮影をお断りさせていただく場所がございます。天候などの諸事情により、FIELD TOURは当日に中止、変更させていただく場合がございます。メディア取材等があった場合、撮影した画像や映像は使用させていただく場合がございます。ご了承ください。